「Pray Tree Xmas Day」まであと2日を切りました。
この日の目玉のひとつが、17時30分から開催予定のピアノライブ。ホテル日航熊本7階に佇むガーデンチャペルを貸し切りで行うこのライブは、PFK実行委員でもある志娥慶香さんによるものです。
12月23日のライブ(無料!)で予定されている演目は、
カッチーニのアヴェ・マリア(PFK音楽配信の曲、クリスマスにちなんで)
凪(震災後に創った曲)
蘇峰(FMK朗読声の贈り物テーマ曲、ふるさとを想う曲)
きよしこの夜
などなど。他にもこの日のための選曲がいくつも予定されています。
ちなみに、『カッチーニのアヴェ・マリア』は、PFKの音楽配信ページ→◎で配信されている曲でもあります。
(企画にはじまり、世界各地に住むアーティストらに声をかけてこの配信ページを作り上げたのも志娥さんです。それぞれのアーティストらによる被災地へのメッセージとともに、スタートボタンを押すだけで聴きたい音楽をお届けするという贅沢なページ。音楽を通じて、想いを届けたいという皆様のご厚意で成り立っています。まだご試聴されていない方は、この機会に是非、耳を傾けてみてくださいね♪)
やや話がそれてしまいそうになりましたが…今日このブログでお伝えしたかったのは、12月23日のピアノライブでも演奏される曲目『凪(なぎ)』についてのお話です。
前述の演目にも添えられているように、この曲は志娥さんが震災後に創った曲。自然と対話し、魂で音楽を奏でる志娥さんにとって、とても思い入れの深い曲となったそうです。そこで今夜は、23日のライブを前に、この曲の誕生にまつわるお話を志娥さんの言葉を借りてお届けしたいと思います。
この曲の元となるメロディが生まれたのは去年の夏のこと。いつか曲として完成させようと思いつつ半年の時が過ぎ、再び落ち着いてこの曲に向き合ったのは今年に入ってからだったといいます。「結果として、震災後の自分の気持ちと曲が重なりあったベストなタイミングで完成した作品です」。
志娥さんは創作を再開してからも、タイトルも決めぬまま、心のままに“美しい日本”を意識してこの曲を創っていたのだそう。「常に思い描いていたのは、“神仏”や“鎮守の森”、“水”などの自然、そして日本人の文化のこと。「この美しさを永遠に残したい」「日本人としての誇りを伝えたい」、そんな想いを抱きながら作曲に取り組んでいたまさにそのとき、311の震災が起こりました。震災後はその自然の猛威に心が打ち砕かれたように、何も出来ませんでした。自分の心にいつもあった“自然への敬意”、それが今回ばかりは裏切られたような気持ちでした。…いろんな意味で、自分がちっぽけに感じました」。
あまりの衝撃と、無力感にさいなまれ、しばらく何も手につかなかったという志娥さん。かねてから仕事などを通じて交流のあった写真家の森さんから話を持ちかけられ、「何かできることを」とPFKの活動について模索しはじめたのは震災から1週間も経たない時期のことでした。
「森さんとPFKの話をしたそのときから、まるで何かに押されるような衝動を感じました。今までオフになっていたスイッチがいきなりオンになり、それまで真の意味でボランティアなんてやったこともなかったのに、今回ばかりはどういうわけか、“とにかく力になれるのならなんでもやりたい、やれる!”と思いました。そして同時に、何としても今、曲を完成させなきゃと思ったんです。
とにかく、その頃の私の精神状態は尋常ではないものでしたので、震災に対するいろんな感情が、演奏しながら沸き上がってきます。曲が完成したのは、少し冷静になって自分らしさを取り戻した頃。そのとき浮かんでいた曲のイメージは、なぜか“海”でした。しかも、とても落ち着いた海、風のない“凪”の状態でした。
津波やら、地震やら、原発やらで日本中が荒波のようにピリピリしていた時期でもあり、早くそれらが穏やかになるようにという願いも込めて、私はその曲を『凪』と名付けました。
今考えてみれば、
津波でたくさんの人を飲み込んだ「海」でもあります。
生命の母としての「海」でもあります。
PFKのイベントで演奏して以来、ライブのときは毎回演奏している『凪』。ただ、演奏しながらまた気づいてゆくのですが、『凪』というタイトルなのに、曲はドラマチックだし無風状態ではないのです。
私はどうして『凪』と名付けたんだろうとふと不思議に思ったとき、“循環”だとか“エネルギーの流れ”だとか“生命”だとか。“動”の要素が自分の潜在意識にあることに気づきました。前述したように完成したときのイメージは“海”だった。海の上は凪状態で静かであっても、そう!!! 海の中は生命のエネルギーが満ちているのです!!!!
それからいろんなメッセージが、この曲『凪』とオーバーラップしました。「被災地の方々の生活が一刻も早く落ち着きますように」という願い、「生きるエネルギーはみんなの中に秘められている」「無になって立ち止まってもいいんだよ」というメッセージだったり、うまく言葉では伝えられないけれど。
今考えてみれば、震災前の曲のイメージが「この(自然の)美しさを守りたい」「日本人としての誇り」だったりするのはやっぱりなにかのご縁で、PFKの「日本人という、仲間を想おう」という美しい言葉に合うな…と思ってもいます」。
志娥さんの言葉はここまでです。
春に開催したPFKのイベントで、初めて『凪』を聴いたときの情景や心境を私は今でもまざまざと思い出します。願わくば、被災地の方にも聴いていただきたい曲のひとつ。すべての日本人に、今を生きる人々に届けたい、想いにあふれた一曲です。
12月23日。あなたとあなたの大切な人のクリスマスを、そして今年を振り返るひとときを、『凪』をはじめとする美しいメロディが彩ります。入場・観覧は無料ですのでお気軽にお越しくださいね。
(チャペル入口付近では私たちがPFKバッジを販売しています。1個500円のお代をお預かりし、原材料費35円をのぞくすべての収益を被災者支援活動団体へ寄付させていただきますので、ご協力いただけると幸いです)。
志娥慶香 チャペルコンサート
12月23日 17時30分〜18時30分
ホテル日航熊本7階ガーデンチャペルにて。
日中は幼児から大人までお楽しみいただける、絵本の読み聞かせやゆるキャラグランプリ第1位に輝いた「くまモン」も登場。「くまモン体操」や写真撮影などもお楽しみいただけますよ。もちろんコチラも無料です。
詳しくは特設サイトのイベント案内をご覧下さいね→◎
pfk 木下
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