2011年12月18日日曜日

イラストレーター村井健太郎さんの「Pray Tree」

Pray Tree 30日目!

おはようございます。ホテル日航熊本にツリーが登場して、早いものでもう1ヶ月が経ちました。ホテル日航熊本の廣永さんからは、ほぼ毎日のように投函されたカードのスキャンデータが届きます。それを拝見するにつけ、メッセージを寄せていただいた方の数の多さに驚くと同時に、投函には至らないまでも、ツリーを見上げてくださった方の数を慮り、胸がいっぱいになります。

ホテルをご利用いただいた際、たまたま見かけたから…という方もいらっしゃるとは思いますが、このPray Treeの存在を知り、わざわざお運びいただいた方も多いはず。そのどちらもの方々へ、Pray Treeとはなんぞや?ということをお伝えしているのが、Pray Treeのポスターです。

こちらは、デザイナーの吉本清隆さんが手がけてくださったもの。これまでPFKのロゴやバッジなどのデザインを一手に引き受けてくださっている吉本さんは今回、このポスターを作成するにあたり、イラストを中心にしたデザインに仕上げてくださいました。

そこで今回は、このイラストについて少しご紹介させていただきます。

前述したポスターの中心となるイラスト、そしてPray Tree限定バッジのイラストを手がけてくださったのは、熊本在住のイラストレーター 村井健太郎さん。

村井さんは、全国から数多のキャラクターが人気を競い合った「ゆるキャラグランプリ」の15位に輝いた「キャプテン海道くん→」や、熊本城のキャラクターとして人気の「ひごまる→」、ロアッソ熊本の「ロアッソ君→」などを手がけた人物です。以前から、Pray from KUMAMOTO主催のイベント時、ライブペインティングや親子のえをかくじかんなどのご協力をいただいていた村井さん。

4月24日、熊日すぱいす様との共催で催したチャリティイベントの一幕、「親子のえをかくじかん→」では、手を絵の具だらけにしながら描くことを楽しむ子どもたちや、それを見守る大人たち、そして子どもと一緒になってご自身もうれしそうに絵を描く村井さんの姿がとても印象的でした。その絵に触れ、あたたかさや安らぎを感じていたのは、きっと、私たちだけではないと思います。

Pray Treeをスタートするにあたり、村井さんのイラストをモチーフとして用いさせていただきたいというのは、実行委員全員のたっての希望でした。しばらくして、村井さんから届いたイラストは私たちの想像を超えるメッセージ性にあふれたもの。Pray Treeを中心に、想いが集まり、そして想いが広がってゆくのが目に見えるようでもありました。

関わってくださっているクリエイターやアーティストの方々、そしてバッジ販売やイベントでのご協力者の方々、ひとりひとりの想いでなりたっているPFK。今回のPray Treeを形づくる上で、村井さんの存在は大きなものです。


そこで今回は、「作品のイメージの捉え方は100%観た人に委ねています」と、普段はあまり作品を言葉にすることをなさらない村井さんに無理をお願いし、Pray Treeのイラストが出来上がるまでを振り返っていただきました(村井さん、本当にすみません)。



ボクは、絵を描く時に、仕事のイラストも含め(説明的なイラストは除きます)、言葉を絵に変換するのとは、ちょっとずれてしまう気がしていて(聞かれて気づきました)。なんとも説明が抽象的になりそうで、なおかつ、聞かれている内容とちょっと違ってしまうかも知れませんが、出来上がるまでのことを書いてみますね。



というわけで、おそらく私が何か言葉を添えてしまうと、想いを汚してしまう気もしたので、ここからは村井さんの言葉をそのまま引用させていただきます。デザイナーやイラストレーターを志す方にも、もしかしたら興味深い内容ではないでしょうか。


大まかなイメージは、森さんと打ち合わせしている時に頭の中にできていました。そのあとは、それを寝かせて、頭の中にしばらくおいておいて、そろそろかなと思ったら実際に手を動かして紙にイメージを固定していきます。


イメージを作る時に頭の中で考えていることは今までのPFKの活動や、関わっている人たち、それぞれのPFKに込めた思い、それぞれの顔とか…。これまでのイベントの風景とか。そして、今回のイベントの趣旨、場所、そしてそして「祈りの木」という言葉。そういうものが浮かんでは変わり浮かんでは変わりなんというか、マーブル状になっている感じです。

実際に手を動かしだすと、いつかピントが合うような感触があります。頭の中に完全にイメージが出来上がって(ゆらゆらしたものですけど)ここから下描きをしてペン入れ、線描きに入ります。線描きは一番気持ちが入る所で、絵に込めた思いがあるとしたら
ほぼ、線に現れているかも知れません。


シルエットになるツリーの形についても、最初のイメージから色を配置して抜きになる絵と、色のついたツリーの形と両方が、頭の中にありました。直感というと、なんだか特別な感じがしたり、反対にがっかりされるかもしれませんが。

それから、クリスマスという幸せで、華やかで、嬉しくて、そして静かで明るくあたたかい。家族、恋人、友人、大切な誰か。ツリー、そして祈りと願い。それを思いながら(頭の中にちょこんと置いておく感じです。)描きました。とか言うとカッコつけすぎですね。まぁ、とにかく真剣に考えれば(できれば嬉しい気持ちで)出来上がる絵は自然と気持ちや思いを形に(直接的ではなくても)なっていくのかなと思っています。

と、ココまで書いて、全部ひっくり返すようなことをイイますと(笑)


ボクは仕事のイラストを含め、作品のイメージの捉え方は100%観た人に委ねています。広告の場合は、ちょっと違うトコがありますが、ココでは省略しますね。


ボク自身の存在や、ボクがどういう気持ちで描いたかよりも、観た人がどう思ってくれたのか。
気持ちが動いたろうか、友だちに話したくなっただろうか。


やっぱりそこが大事なところなので、大切にした所、イメージの元の元はどう思ってもらえるだろうか。出来ればすこしでも幸せな気持ちにつながるようにと。


観た人の感想、気持ちの動き
  ↓
イメージ
  ↓
  絵
  ↓
観た人の感想、気持ちの動き

のサイクル。

もちろん自分が描きたいものは存在していますが、
出来上がりを見ている誰か。から発想しているのでした。




村井さんの言葉の引用はここまでです。


私は村井さんのイラストが大好きです。
理由はあげればきりがなく、そして理由をあげる必要がないくらいに直感的に好きです。なんでしょうか、体温がある気がするというか、1つ1つがやさしい感情を持っている気がするというか。
でも、Pray Treeのイラストについて語ろうとするときには、私の言葉では間違っている気がしたのであえて「Pray Treeに込めた想いを教えてください」という愚問を投げかけてしまいました。


言葉ではなく、見て感じるもの。

どうぞ、もう一度、Pray Treeのポスターやバッジの絵を見つめてみてください。きっと心の中に何かが生まれるはずです。


その想いをお持ち帰りいただけるバッジは1個500円、ホテル日航熊本の館内限定で、12月25日まで販売しています。なお、このバッジの売り上げは、原材料費35円をのぞくすべての収益を東日本震災支援の団体等へ寄付させていただいています。
(これまでの寄付先はこちら→






村井健太郎さんのブログ「SketchBookDialy」はコチラ → 

pfk 木下

0 件のコメント:

コメントを投稿